シリア旅行記9 パルミラ遺跡からダマスカスとカシオン山へ

8日目 パルミラ遺跡・ダマスカス・クネイトラ自治区事務所・カシオン山


今日は最終目的地、シリアの首都ダマスカスへ
T君とN君は昼頃のバスでダマスカスに向かうとのことで、Oさんと僕は朝、宿をチェックアウトし、別の宿に泊まっているAさんをピックアップしてバス乗場へ

パルミラ遺跡のあるタモドールからダマスカスへのバスは、タドモールが始発ではなく、デリゾールなどのシリア東部の街から来るバスに途中乗車することになる
今回のバスは今までで、一番すいていてガラガラだった。バスは3時間ほどでダマスカスに到着

実は昨晩の夕食のとき、Aさんから、ダマスカス滞在中にクネイトラに行こうと提案があり、ダマスカスで特に何をするとか決めていなかったOさんと僕は、「行きたい行きたい」と良くわからずに即決していた

実は後で知ったのだが、クネイトラはとんでもないところで、国連が仲介して停戦状態にあるというゴラン高原にある都市

クネイトラは今、誰も住んでいない。各国から派遣された国連の連合軍が停戦を監視しているとのこと
さて、どうなる?平和ボケで無知な日本人は大丈夫か?

地球の歩き方の情報によるとクネイトラに入境するには、ダマスカスにあるクネイトラ自治区の事務所に行って入境許可証を事前に入手する必要があるらしい

そこで、事務所の営業時間が終わる前に入境許可証を取得するため、バスターミナルから直接タクシーでクネイトラ自治区事務所へ
だが、事務所入り口の警備の人が今日は休みだ。明日来いとのこと
また、地球の歩き方にやられた。やっぱり現地情報は大切だね

仕方なく宿へ。3人でダマスカス中心部の安宿街にある Al Rabie Hotel に泊まることにしていた。地図を見るとそんなに離れてなさそうなので、歩いていくことに

しかし、このクネイトラ事務所の周辺の雰囲気がおかしい
まわりには各国の大使館があるらしく、ほとんどが庭付きの一軒家で、各入り口にいろんな国の国旗がはためいている
もちろん日本大使館もあった

何がおかしいかというと、シリア入国以来ほとんど見なかったスーツ姿の男が、ほとんど通行人のいない歩道沿いに約10m毎に立っている
彼らは普通の通行人(歩いてはいないが)を振りをしようとしてるのは分かるが、あきらかにおかしい

視線をむちゃくちゃ感じる。でも振り返ると彼らは別の方向を向いて、僕たちを見ていない振り
おまえら僕たちを監視してるのはバレバレだぞっ
しかし、でっかいバックパックを担いだ東洋人の男3人がこんなところをきょろきょろしながら歩いているのも怪しいんだが...

ここで事件が起こった
Aさんが明日また来る時の目印にと風景を撮影しようとして、バッグからカメラを取り出して、写真を撮ろうとした瞬間、スーツの男たち数人が大声を出して駆け寄ってきた
これはやばい...
日本に帰れないかも・・・

Aさんは事情を説明し、デジタルカメラの内容を見せ、まだ撮影する前だったことを何とか理解してもらうと、その場で開放された

というわけで、この辺りの写真はまったくありません。
教訓 写真撮影は危なさそうなところでは絶対にやめましょう。本当に危険です

歩くこと約30分、安宿街にある Al Rabie Hotel に到着
Al Rabie Hotel はかなり大型のゲストハウスで、世界中のたくさんのバックパッカーでにぎわっています
それに、宿泊料もそれほど高くないのに、なんと朝食付き
朝早く出かけるときは、お願いすると朝食代わりにお弁当を作ってくれる

広い中庭があって、噴水とか植物もいっぱいあってとってもいい雰囲気。毎晩、世界中の旅人が中庭に集まってみんな仲良くおしゃべり
宿の人もとっても親切で会話がおもしろく、ほんとに居心地の良い宿
ずっと泊まっていたかった

Al Rabie Hotel の中庭を2階から

 今日はこれからAl Rabie Hotelに泊まっていた日本人のK子さんも一緒に4人で夜景がきれいに見えるカシオン山へ
タクシーをシェアしてダマスカス郊外の山道を登り、カシオン山の頂上へ


眼下に広がるダマスカスの街

ダマスカスの黄昏
とってもきれいな街なみでした

カシオン山に滞在約1時間、タクシーの運ちゃんが待っててくれて、同じタクシーで Al Rabie Hotel へ
しかし...

ここでまたまた問題発生
最初、出発のときカシオン山まで4人全員合計400シリアポンドで交渉成立して乗ったタクシー
往復だから倍の800シリアポンド プラス チップ200シリアポンドで 1000シリアポンド払えばいいよね と帰りのタクシー車内で話していた日本人4人

Al Rabie Hotel 近くの大通りに到着すると、タクシーの運ちゃんが、3000シリアポンドも要求してきた
それはおかしいだろうと1000ポンドまでしか払わないと答えると、さっきまでニコニコしていた運ちゃんが、血相を変えてポリス ポリスと言い出した

運ちゃんは数字とポリスの英語しか分からないらしく、止めたタクシーの目の前にある中級くらいのホテルのロビーに僕たち4人を連れて行った
どうやら、そのホテルのロビーのフロント係の人にアラビア語と英語の通訳をさせたいらしい。。。ホテルの人にとっては、とんだ迷惑な話だなあ

ホテルの人が通訳するには、自分はずっと山の上で君たちを待っていたと。もし山の上にいなければ、3000ポンド以上は稼げていたはずだから、この金額を要求すると
そんなアホな、、、短距離で約100ポンドのタクシー料金。3000ポンドは短距離30回分。ありえない...

約30分、ホテルの人の通訳を介して、延々と交渉が続き、運ちゃんは2000ポンドまで下がってきたが、これ以下にはしない様子。僕たちも1500ポンドまで譲ったが、それ以上はだめと一点張り

ここでみなさんお気づきかもしれませんが、1シリアポンドは約2円です。そう、運転手の要求は4人でたった4000円なのです。立派な社会人なんだから、それくらい払ってやれよと思うかもしれませんが、この時は運ちゃんが嘘をついたことへの怒りと、日本人をバカにされたないという意地で、こんなことになってしまったのです。ハイ

と、突然、ホテルの人が仲裁案を言い出してきた
運転手は1900ポンドで我慢しろ。日本人たちは、1600ポンドで妥協しろ。俺が300ポンド払うからこれでいいだろう

おいおい、こんなに迷惑を受けて、さらに300ポンドも持ち出すなんて
ちょっとまずすぎるだろう
僕たちは、ぜんぜん関係ないあなたに支払わせるなんてできないと提案を断った

結局、運ちゃんが1900ポンドでOKとなったので、僕たちが1900ポンドを支払った
運ちゃんはホテルから去っていき、ホテルに残った僕たちは、ホテルの人におつりの100ポンドを渡そうとすると(すごくケチですみません)、受け取りを断られてしまった

ホテルの人に尋ねると、夕方のカシオン山のタクシーツアーで2000ポンドは妥当な金額らしい。ちょっと高いところだと3000ポンドもありえるとのこと
自腹を提案したのは日本人にシリアのことを悪い印象を持って欲しくなかっただけだと

身も知らずの、そこに宿泊しているわけでもないケチな日本人たちに一生懸命通訳してくれて、さらに自腹まで

シリアの友よ 本当にありがとう


Al Rabie Hotel に戻ると、T君とN君が到着してた。

夜はみんなで食事に行ったりスークを散策
宿に戻るとさらに日本人だらけ
明日、クネイトラに行くと話すと参加希望者が続々と
結局3人の予定が9人の大所帯で行くことに

ダマスカスも旅の十字路
北のトルコやアレッポから来た僕たちや、南のヨルダンから来た人、西のレバノンから来た人が集まって、旅の話で夜遅くまで盛り上がりました
ちなみに、東はイラクです。さすがにイラクから来た人、これから行く人はいませんでした



明日はダマスカスからゴラン高原のクネイトラに日帰りでショートトリップ


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