エジプト旅行記20 アスワンのナイル川クルーズへ

9日目


昨日はルクソールで会った日本人女性のKさんと日本人男性のS君と3人でルクソールから列車でアスワンに移動
3人でアスワン駅近くの安宿、マルワホテルに宿泊しました

昨日の晩、アスワンに到着後すぐに今日のアブシンベル神殿へのバスツアーを申し込もうとしたがすでに満席でした。明日バスツアーでアブシンベル神殿に行きます

今日は1日空いてしまったので、アスワンの街で喫茶店に行ったり公園を散歩したりしてのんびりと過ごすことに
カイロ、ルクソールとずっと駆け足で観光してきたので疲れている体には丁度良い休暇になったかも


夕方から3人でフルーカ(エジプト南部独特の白い小船)に乗って、ナイル川をクルーズしようということになりました

宿泊しているマルワホテルからナイル川までは徒歩10分くらい
ナイル川に到着すると、見つけました。白いフルーカを
ナイル川に浮かぶフルーカ

フルーカの船長と値段交渉
ここで、一番旅慣れていて英語も完璧な唯一の女性Kさんが突撃

地球の歩き方に書いてある相場より安いフルーカ1艘2時間チャーターを40エジプトポンド(約800円)で交渉成立。さすがKさん。すごい

先日もルクソール駅でアスワンまでの指定席切符を買うのに四苦八苦していた僕とS君を尻目に、すんなりと僕たちの分も一緒に指定席切符を買ってくれたKさん
なさけない男性陣。お世話になりっぱなしのKさんには頭が上がりません


フルーカはナイル川の岸辺を出航
ナイル川クルーズ、スタート
アスワンのナイル川

フルーカはエンジンがなく、完全に風だけを頼りに進む
僕たち3人以外に、黒人系のヌビア人の船長とその息子の2人が乗っていて、船長は大きな白い帆を巧に動かし、フルーカを操縦する

フルーカは実際に乗ってみると意外に広く、船内を自由に動き回ることができる
フルーカの船内

昼のアスワンは気温40度を超える酷暑だが、夕方のナイル川の水面は風が吹いていて涼しい
クッションがいくつも備えてあって、横になって寝そべることもできる
川面に吹く風と、穏やかな船の揺れがとっても心地よい


アスワンのナイル川には、いくつか観光スポットがあって上陸することができるが、夕方なのでもう観光施設は終了

単純にナイル川をフルーカで漂うだけ
これが時間を切り詰めて観光する僕たち日本人には、とっても贅沢な時間の過ごし方でした


ナイル川の水は手で触ってみると、とっても冷たい
船長の息子さんは、ビニール袋に果物を入れてロープで結び、ナイル川の中に投げ、フルーツを冷やし始めた
ナイル川で果物を冷やしているところ

そして、お湯を沸かし紅茶を入れてくれた
紅茶のサービス

冷たい果物と紅茶のサービスまであるなんて、とってもうれしい


だんだん日が暮れてきて、アスワンの街の明かりが少しづつ灯ってきました
ナイル川から見たアスワンの夕暮れ

そろそろ、アスワンの街に帰ろうとしようとしたとき、ここで問題発生

ナイル川の風がほとんど止まってしまった
フルーカにはエンジンがついていない。風が止んでしまうとまったく進めない

川の流れでなんとかナイル川の中州の島の岸に到着

僕たち3人と船長の息子がフルーカを下りて、中州の島に上陸
ここから少し歩いて、エンジンの付いている小型ボートの船着場へ

ここから4人で小型ボートに乗って無事アスワンの街に到着

なんとか、帰ることができました


小型ボートを降りたところで、2時間のフルーカチャーター代40エジプトポンドを船長の息子に支払う

ところが船長の息子は、今乗ってきた小型ボード代として、1人10エジプトポンド支払って欲しいという
えっ?2時間40ポンドなのに、10分も乗っていない小型ボートに3人で30エジプトポンドも??

これには3人とも怒りが
やっぱりここで登場するのは、旅慣れたKさん
「私たちは2時間40ポンドでここまで戻ってくるという約束でチャーターした。ここまで戻って来れなかったのは、あなたたちの責任。当然40ポンドの中に今乗ったボートの代金は含まれているはず。私たちはこれ以上支払いません。」

さすがKさん。船長の息子に対して英語で強く主張する

まだ、支払ってほしいと言い訳する船長の息子に、Kさんはトドメの言葉を言う
「ヌビア人は、アラブ人と違って正直で良い人ばかりだと思っていたが違った。ヌビア人もアラブ人も一緒でお金に汚い人だということが分かった。」

ヌビア人はエジプト南部に住む黒人で、エジプト中部から北部に住む白人に近いアラブ人とは見た目が明らかに違う

ヌビア人は自分たちの民族に誇りを持っていて、性格の悪いアラブ人と一緒にされることを、とても嫌うようだ

ヌビア人である船長の息子は、「Ok Ok 問題ないよ」
と言って、40ポンド以上の追加料金は請求しなかった


やれやれ
またKさんに助けてもらってしまいました

日本人から見たら10ポンドといったらたった200円
もちろん大した額ではない

でもエジプトに限らず、多くの国で事前の約束とか契約という概念が、あまりにも適当すぎる。約束とか契約を守らないことによって、旅はとてもつまらなくなる
約束は約束。僕は体や命の危険がない限り、約束を守るよう主張すべきだと思う。それが、きっと未来のその国のためになるはずだから


偉そうなことを書きましたが、実際には僕はヘタレです
強く言われるとビビッてしまい、世界のあちこちでカモにされてます
日本人がなめられる環境を僕が作ってきているかもしません
今後、世界を旅するみなさん、ごめんなさい


ヌビア人は本当は心優しい人たちです。少しだけ、アラブ人の真似をして旅行者をだましてみようとすることもあるけど、指摘するとすぐに引いてしまいます

アスワンの住民は半分以上がヌビア人が占めています
いままでエジプトを旅してきて、一番アスワンが居心地が良いです
これは絶対にヌビア人のおかげ
温和な性格で、アラブ人のように強く主張できないヌビア人。性格的に日本人に似ているかも


マルワホテルに戻り、あらためてアスワンの街へ
夜のアスワンの街

昨日と同じDrweesh Restaurant で夕食を食べ、エジプト南部最大の商店街、アスワン・スークへ行きました


アスワンスークは道幅が広く開放的。ずっと先まで一本道。自動車が通らないのでとっても安心
地元の住民のためのお店と、観光客用のお土産屋さんが混在しています
昼は暑すぎて、お客さんがほとんどいないが、夜は涼しいのでにぎやか
かなり遅い時間までやってます

僕たち3人が歩いていると、あちこちのお土産屋さんから変な日本語で声がかかる
「いらっしゃいー」「みるだけタダ」「やすい」「ナカター(サッカーの中田選手のこと)」

そして、極めつけは「バザールでゴザール」
これには3人で大笑い

なんで、こんなアフリカ大陸のナイル川の上流、エジプトの最南端でこんなに日本語を聞くことができるんだ?

変な日本語に反応したら最後、手を引かれお店の中につれていかれます
いろいろ積極的な商品の営業が待ってます

最終的に何も買わないと言うと、どのお店の人も僕たちに向かって同じ言葉を言います
「ヤクザー」

もちろん、店員たちは笑って言ってるので悪気はありません。日本人はこの「ヤクザー」という言葉に必ず笑うことを知っているんでしょう

そういえば、ヤクザーという言葉、カイロのハーンハリーリのお土産店街でも聞いた。エジプト全体で流行っているのか?


とにかく、日本語だらけのアスワン・スーク。日本人ならぜひ行ってみましょう。むちゃくちゃ楽しいです


明日はエジプト南部最大の観光地、アブシンベル神殿へバスツアーで行きます
午前4時出発。 午前3時には起きて出発の準備をしなければいけない。ちゃんと起きれるかなぁ?


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